敢えて素早さを低くするメリット
はじめに
ポケモンバトルは原則、先に動ける≒行動回数が多い方が有利である。攻撃が多ければ与えるダメージも多く、追加効果の施行回数も多い。怯みを引けるのも先手だけ。挑発や身代わりで後攻側の補助技を妨害できる。当然それを左右する素早さの数値は高いに越したことはない。
しかし、逆に素早さを下げて後手から行動することにも少なからずメリットがある。今回はそれを挙げていこうと思う。
※後手から行動することに視点を置いているのでトリックルームやジャイロボールについては言及しない。
蜻蛉返り,ボルトチェンジ
まず後攻で動くことと切っても切り離せない技が蜻蛉返りやボルトチェンジである。
❶後続を無傷で場に出す
襷や化けの皮を削りつつ、安全に裏のポケモンを繰り出していく。先手で蜻蛉ルチェンが発動すると、繰り出す後続にダメージが入ってしまう。ゲッコウガ・ミミッキュに対して効率的な動き。
タイプ・ヌル(ある程度耐久の高いポケモン)→メガゲンガー(後出しするには耐久の足りない高速アタッカー)のような形が有用。
❷欠伸,宿り木,呪い躱し
状態変化技を受けてからターン終了時の処理が行われる前に交代する。欠伸や宿り木ループを解除しつつ、健全に裏のポケモンを繰り出せる。
逆に欠伸する側も下からの蜻蛉を許さない為にSを下げることも考えられる。
❸下から身代わりを壊す→上から殴る
後攻蜻蛉ルチェンで身代わりを壊すことで、身代わりの無い状態と裏のポケモンを対峙させる。
オニゴーリや残飯スイクンの守る+身代わりを崩す手段になり得る。
❹蜻蛉ルチェン同士
お互いが蜻蛉返りを選択した場合、先行側が繰り出したポケモンを確認しつつダメージを与えて交代できる後攻側の方が基本有益である。
天候やフィールドの取り合い
1ターン目や相打ち後の死に出しなど同じタイミングでポケモンが場に出た場合、特性は素早さの速い順から発動する。天候を変えるポケモンが同時に出た場合、書き換えが発生し遅い側の天候が残る。フィールドも同様。
この仕様を考慮したポケモンとして無振りカバルドンの下を取る最遅ペリッパーが有名。雨を降らせつつ、後攻蜻蛉で欠伸を躱しながら雨エースに繋げられる。対抗してカバルドンもSの個体値を落とせば、天候を雨に取られることは無い。
交代の順番と特性の発動
上画像のようにカバマンダvsカバマンダを想定してもらいたい。
お互いが交代を選択した場合、交代の順番は引くポケモンの素早さの速い側が先になる。場に出たと同時に特性は発動するので、先に出てきたマンダの威嚇はカバルドンに入り無駄になってしまう。つまりこの場合はSの遅いカバルドンの方がアドバンテージを得ている。
威嚇だけでなく、フィールドの貼り合いやポリゴン2のトレースにもこの交代順の要素は絡んでくる。
ギルガルドのバトルスイッチ
特性バトルスイッチと影打ちを持つギルガルドは、単純な殴り合いにおいては後攻を取った方が有利である(毒ガルドや剣舞ガルドはその限りではない)。その為古くから最遅ガルドが多く存在する。
逆にガルドの下からブレードフォルムに攻撃する為の最遅ガルド抜かれ調整もある。
技の仕様
がむしゃらからの先制技、メタルバーストでの1:1交換を狙う場合は素早さを落として後攻を取る調整も考えられる。
まとめ
以上あまり説明されていることの少ないトピックについて纏めてみた。
上記の要素のあるポケモンはSを下げてみても良いかもしれない。その際は何も考えなく最遅にするのではなく最低限上を取りたい相手との兼ね合いも考え、ベストな実数値を考察したいところ。
良いスローライフを。