【みちづれオフ】窮鼠みががむグロスビート【個人8-1準優勝】
ラッタ(アローラの姿)@カムラのみ
メタグロス@メタグロスナイト
ミミッキュ@きあいのタスキ
カプ・レヒレ@水Z
ヒートロトム@拘りスカーフ
ガブリアス@ゴツゴツメット
10/19に行われた2人1組のチームで戦うシングルルールのオフライン大会、みちづれオフ(と試運転のレート)にて使用した構築になる。
個人戦績は予選7勝1敗で1位抜け。決勝戦は違う山の1位抜けのチームとの対戦となり、筆者側は何とか勝てたが惜しくもチームは準優勝だった。
この構築の都会感すき
みががむしたい
突然だが『みががむ』というものをご存知であろうか?
幅広い相手へのゲリラ的な打点となるがむしゃらを、身代わりによるHP調整によってサポートするというギミックで、上手くいけばカムラによる素早さ逆転で1.8匹以上のポケモンを持っていくことも出来る。
理に適った美しいコンセプトであり、筆者もブログで度々紹介しているお気に入りの戦術である。
こちらの記事が分かりやすく説明されているので『みががむ』について知らなかったという方は是非読んで欲しい。
こちらは筆者の過去のみががむ育成論
この『みががむ』を活かした構築を作ることに。しかし第三世代の対戦環境から活躍するみががむだが、第七世代では天敵とも呼べる存在が登場してしまった。
それは混乱実である
がむしゃらは相手ポケモンのHPをミリにすることで耐久ポケモンを無力化したり、高速ポケモンを裏の先制技で縛れるように出来るのが優秀な点だが、7世代からは低HPになるとHPを半分自動で回復する混乱実が登場。
7世代環境においては攻守問わず多くのポケモンに採用され、がむしゃらという技は相対的に弱体化してしまった。
そのため、7世代のみががむでは混乱実を発動させないことが重要だと考えた。
注目したのははたきおとすをメインウェポンとして使えるポケモン。事前に混乱実を没収できる。
はたきおとすという技はその他の点でもみががむと相性が良く、元々高い対受け回し性能を底上げ出来、ゴツメやスカーフを落として裏の補助にもなる。がむしゃらがゴーストタイプに通らないのでゲンガーやガルドへの打点になることも噛み合っている。
がむしゃら覚える悪タイプでカムラを食べて最速130族を抜ける子はただ1人。
ドブネズミくんでした。
個別解説
ラッタ(アローラの姿)@カムラのみ
性格:陽気
努力値:H212 B68 S228
実数値:177-91-99-54-100-138
特性:厚い脂肪
はたきおとす/凍える風/がむしゃら/身代わり
調整先
B<D
H:4n+1(身代わり4回貼って1残る)
HB:特化リザXのニトロチャージを身代わりが最高乱数を切って耐える(〜25.4%)
S:準速85族(レヒレ等)抜き、↑1で最速135族抜き
耐性、技、微妙な種族値、何してくるの感、全てが『みががむ』に絶妙にマッチした、とても適性の高いミガガマーである。
主に高耐久ポケモンを役割対象とし、【はたき落とす→(身代わりでHP調整)→がむしゃら】でHPを大きく削っていく。
高速アタッカーに対しては1発耐えて身代わりを下から残しカムラ発動でS逆転、【がむしゃら→はたきおとす】で処理し、2匹目のポケモンにもがむしゃらを入れる。身代わりが残らなくても最低限がむしゃらは出来るので初手身代わりから入るのが基本。
『みががむ』ポケモンは高い崩し性能が特徴で、がむしゃらという技の性質上交代で受け流すことが難しい。
動かし方は他の『みががむ』ポケモンと同じなので詳しくは先程載せた記事を読んで貰えると知識が増えるかと思う。
•耐性
ゴースト無効。ノーマルタイプの身代わり持ちなので聖剣の無いガルドを完封できる。がむしゃらはゴーストに効かない為ガルドに強い点は優秀。ガルドで残した身代わりを盾にカバやマンダに『みががむ』を決めていきたい。
かげうちで縛られないのでミミッキュに対して何かしらの仕事をしてから退場できるのも良い。
エスパー無効。テテフのサイキネの一貫切り。
そして多分世界で3人くらいしか知らない雑学だが、特性が厚い脂肪なので特化リザXのニトロチャージや変幻ゲッコウガの冷凍ビームを身代わりが耐える。
リザXに後出しして、通りの悪い逆鱗を打たせるか、がむしゃらで先制技圏内まで削るか迫れる。
•技
コンセプトなのでみがわりとがむしゃらは当然搭載。
前述の通り、混乱実を没収してがむしゃらをサポートできるはたきおとす。ゴツメやスカーフ、輝石などの面倒な道具も落とせる。特にゴツメを落とせば裏のグロスやミミッキュを大きくサポート出来るのが優秀である。火力は心許ないが一応メインウェポン。
凍える風は火力こそヤバイが便利な技。
- 羽で粘ってがむしゃらを枯らそうとしてくるマンダに対して打つ
- ミミッキュの皮を剥がしつつSを落とす
- 相手のSを落としつつがむしゃらでHPをミリに出来る為、速いポケモンもグロスのグロパンの餌になる
- S逆転ギミックこそ出来なくなるものの、上からの『みががむ』の方が安定性が得られる
- 起点回避や後続へのサポート
決勝戦のスクリーン配信にてあまりの低火力故にガブリアスの身代わりを壊すことが出来ず、会場は大きな響めきに包まれた。
ラッタはスカーフ命がけが有名なのが幸いし、高HPのポケモンやギルガルドが繰り出されたりすることも多かった。そしてどうせ命がけするからとZなどの高火力技を打たれないのも有情。
改めてみががむにふさわしいポケモンだなと感じた。
メタグロス@メタグロスナイト
性格:意地っ張り
努力値:H124 A196 B4 D148 S36
実数値:
【メガ前】171-198-151-×-129-95
【メガ後】171-209-171-×-149-135
特性:クリアボディ→硬い爪
思念の頭突き/雷パンチ/バレットパンチ/グロウパンチ
調整先
A:11n
HB:特化ランドロスの地震を確定耐え(〜99.4%)
特化メガマンダの↑1地震を確定耐え(〜99.4%)
特化ミミッキュのシャドクロZを最高乱数切って耐える(〜101.7%)
HD:C147コケコのEF10万ボルトZを最高乱数切って耐える(〜100.5%)
S:最速70族抜き
【第3回Boss Rush 1位】悪鬼滅殺リザグロス - 燃え尽き症候群
こちらの型を参考にさせて頂きました。
みががむラッタとの相性が抜群に良いメガ枠。ゴースト悪炎をラッタが受け、がむしゃらでHPをミリまで削ってグロパンの起点を作ったり、バレパンで縛れるようにしてもらう。はたきでムドーやクレセのゴツメを落としてもらいグロパン積み放題する。
この子が弱いガルドに強い点も相性○。
崩し性能をかなり意識した型なので、↑1でドヒドやバレル、バナを倒せてヌオーへの打点となる思念を採用した。
一方で耐久面に厚く、ゲッコウガとも撃ち合えるのが優秀。
グロパン+技範囲の広さを活かした崩し性能と種族値に裏付けられた対面性能を兼ね備えたポケモンだった。
ミミッキュ@きあいのタスキ
性格:陽気
努力値:H4 A252 S252
実数値:131-142-100-×-125-162
特性:ばけのかわ
じゃれつく/シャドークロー/かげうち/剣の舞
調整先
S:意地っ張りグロスやミミッキュミラーを考えて最速
ラッタで数的有利や受けポケモンの無力化に成功した際に通りが良く、先制技を持つミミッキュを採用。
ラッタグロスで崩しは出来るので対面性能と引き易さを備えられる襷を持たせた。ゲンガーやボーマンダ、メタグロス、ミミッキュに対しても2回の行動保証を持てるのが優秀。非常に心強いストッパーだった。
カプ・レヒレ@水Z
性格:控えめ
努力値:H44 C220 S244
実数値:151-×-135-157-150-136
特性:ミストメイカー
波乗り/ムーンフォース/あまごい/瞑想
調整先
HD:C211リザYのソーラービームを最高乱数切って耐える(〜100.6%)
C:H135-D116メガゲンガーを波乗りZで確定1(100.0%〜)
S:最速70族+2,↑1で準速フェローチェ抜き
ここまでの3匹がカバやランドに不利を取るので、グロスとの相性が良くPTに状態異常耐性を付与出来るレヒレを採用。
普通の瞑想レヒレは適当に削って速いポケモン(マンダやゲンガーなど)で上から処理されるルートを取られてしまう点から使い辛そうだと思い、自ら素早さを上げられるあまごいZを搭載した。もちろん波乗りをZにすることも出来るので場面に応じて使い分ける。
ゲッコウガの型が多様化し、水技のみでレヒレが押し切られてしまうこのご時世なので、Sを上げる選択肢があるというのは心強い。ただゲッコウガ対面であまごいZ押すのは間に合わない、事前に加速しておく。
副産物として砂パやリザYに対して天候の塗り替えが出来る。対リザYは一度上を取ってしまえば一度引いて晴れ直されても上から素のあまごいで何度でも無力化できるのが楽しい。
水フェアリーの通りが良い相手は上からの攻撃でレヒレを処理しようとしてくるので、この子でSを上げて勝ちを拾える試合が多かった。
なお水フェアリーの一貫を切れるポケモンはもれなくグロスで勝てる。しかも熱湯も胞子も効かないと。
やはりグロスレヒレは7世代屈指のTAGTEAM。
ヒートロトム@拘りスカーフ
性格:控えめ
努力値:C252 D4 S252
実数値:125-×-127-172-128-138
特性:浮遊
オーバーヒート/ボルトチェンジ/めざめるパワー氷/トリック
調整先
B<D
C:オーバーヒートでH204-D122カグヤを確定1(〜100.9%)
S:準速135族抜き
ここまで地面の一貫があり、ゲッコウガルカリオグロスが重かったのでスカーフヒトムを採用。
無効にこそできないものの、電気の一貫を切れてサブウェポンにも耐性を持つのが偉い。
第七世代でスカーフヒトムを使うのは初めてだが非常に扱いやすかった。使用率の高いポケモンに役割を持てて、受けに対してもボルチェンやトリックがあるので止まらないのが偉い。
テテフに不利を取るが、取り巻きがテテフに強いポケモンで固められているのも動きやすかった。
ラッタレヒレガブと周りにスカーフを持ってそうな子が多いので警戒が薄かったのか素直な技選択で有利を取れることが多かった印象。
決勝戦では毒避けてオバヒを5回中1回も外さなかった英傑である。
ガブリアス@ゴツゴツメット
性格:無邪気
努力値:H60 A116 B52 C28 S252
実数値:191-165-122-104-94-169
特性:鮫肌
地震/岩石封じ/火炎放射/めざめるパワー氷
調整先
A:岩石封じでH153-B99リザYを確定1(101.9%〜)
C:めざ氷でH196-D101ランドロスを98.4%の高乱数2(48.9%〜)
HB:A197ランドロスの地震Zを最高乱数切って耐える(〜101.0%)
HD:特化テテフのPFサイキネを最高乱数切って耐える(〜100.5%)
S:最速
ここまでの5匹だと
- ガルーラ軸に勝てない
- 鋼への打点が不足している
- 電気無効枠いない
のが問題だったので、それらを解決してくれたわがままポケモン。
ゴツゴツメット+鮫肌は1回の接触でなんと最大HPの7/24を削ってくれる。
メガガルーラなら1ターンで7/12削れるので2ターン分接触してくれればスリップダメージだけで倒せてしまう。また1回でも触れれば大抵裏のポケモンの圏内に入れられる。
後出しからここまで削れてしまう爆弾はガルーラにとって非常に大きな圧力となるだろう。
ガルーラの裏にいることの多いランドロスへの打点としてめざめるパワー氷を搭載。H振りのランドロスまでは2発で落とせる。ガルーラに交換読みめざ氷撃つと試合が終わる。蜻蛉帰りに後出ししてゴリゴリ削っていくのも楽しい。
副産物としてマンダにも強くなった。岩石封じとめざ氷を駆使して鮫肌ゴツメ圏内に押しやれる。
そして更にガルーラ軸に強いのは、これも組まれていることの多いウルガモスや裏メガのリザードンYに対面から勝てる点。100族を抜けているというのは非常に優秀。
次に鋼タイプ、特にナットレイ絡みのサイクルへの突破口が不足していたので火炎放射を採用。マンダナットドランの並びに非常に強い。カミツルギやハッサム、エアームドも焼ける。
汎用性も高く、ミミッキュなど不利な相手も鮫肌ゴツメでゴリゴリ削れるので、こちらのグロスのバレパンやスカーフヒトム圏内に入れる勝ち筋も狙いやすい。
元々ピンポイントな対策枠であったが、がむしゃらで削って上から処理するこの構築とは親和性が良く、非常に活躍してくれた。
QRパーティ
あとがき
第七世代の最後にみががむを使えて楽しかった。そしてタッグ制のルールでここまで勝ち上がれたことがとても嬉しい。相棒のぎんなんさん、対戦して頂いた皆さん本当にありがとうございました。
第七世代もあと半月…ラストスパート頑張るぞー